昔と変わらないのは
「あ、もうこんな時間だ。翼〜、私夕食の準備するね。」
「うん。」
リビングにいたは、壁に掛けてあった時計を見てキッチンへ向かった。
俺もソファーに座ってテレビを見ながらそれを待つ。
最近、よく昔を思い出す。
俺がと会ったのは中学の時で、その時のは他の女とは違って騒がしくなくて。
意外とサッカー好きだったし話もあって、だんだんに惹かれてった。
でも、告白したのも俺だし、プロポーズしたのも俺。
の気持ちは、俺あんまり聞いてないかも。
『好き』とか言ってくれないし。
ホントは、俺の事そんなに好きじゃないのかも。
「……やべ、何か不安になってきた。俺らしくない……。」
顔を手で覆って考える。
でもやっぱり不安で仕方なくて、気付けば足はに向かってた。
「!」
「何?翼。」
俺は何の前触れもなく夕食の用意をしていたに抱きついた。
それだけでは顔を真っ赤にする。
「え、な、ななな何、いきなり!?」
「ってさ、俺の事好き?」
「え?……う、うん。」
ほら、また言ってくれない。
俺はこんなにの事が好きなのに。
「じゃあ何で言ってくれないの?『好き』って。」
「え?な、何で?いきなり何言ってるの翼、今日なんか変だよ?」
「いきなりじゃない。ずっと思ってた。」
そう、ずっと。
俺が告白した時も、「よろしくお願いします……。」って言って『好き』とは言わなかった。
プロポーズした時も、こんな感じだった。
実は俺、ものすごく虚しい人間なのかも。
「…………ごめんね、翼。」
「え?」
もしかしてその通りだったりするわけ?
……うわ、マジ虚しい……。
「……ち、ちょっと離して?」
「あ、あぁゴメン。」
何だ……別れ話かと思った……。俺らしくないけど、の事となるとマイナス思考にもなる。
俺はを開放すると、から少し離れた。
次の瞬間、が振り返ったかと思うといきなり飛びついてきた。……はじめてかも。
「?どうしたの?」
「………翼。」
「何?」
は、顔を上げたかと思うとにっこりと笑って言った。
勿論、顔は真っ赤。
「翼……大好きだよ。」
「………っ。」
言った後はすぐに下を向いたけど、これはこれで好都合。
……今、絶対顔赤い。自分でも分かるくらい。
「ご、ごめんね翼……。」
「……え?な、何が?」
急にが離れたから何かと思ったら謝罪だった。
「だ、だって……今まで好きって言えなかったから………。」
……これは反則だよ、。
真っ赤な顔で上目使い。抱きしめたい衝動に駆られて抑えられなくなってギュッとを抱きしめた。
「……ありがと、。」
「ふぇ……?な、何が……?」
「好きって言ってくれて。もしかしたら、俺の事好きじゃないのかもとか思っちゃったからさ。
俺らしくないよね?」
「そ、そんな事ないよ!」
が俺の胸を押して顔を上げた。
「昔も今も、私が翼を好きな気持ちは変わらないよ!!」
「………っ。……ありがと。」
俺は微笑んで、再びを抱きしめた。
ありがと、。
〜あとがき〜
1414を踏んでくれた家長碧華様に捧げます!
未来夢でほのぼのでヒロインが愛されてればOKだそうなので!頑張りました。
……愛されてるでしょうか?
返品ならいつでもOKです!!
それでは。失礼します!
10/14 小坂井瑞希
[Thank you very much.]
小坂井様のところで踏んでしまいました、1414。
こんな素敵な小説を書いてくれました、感謝です。
ありがとうございます!!
返品なんかしません。しませんとも。もったいない。笑
本当にありがとうございました!
061015 家長碧華