「で、また今年もやってきたわけね…」
「何ブルーになってんの。それって失礼じゃない?」
「リョーマはいいのよ。もらう側なんだから」
「俺の彼女になった、宿命ってやつ?」

クリスマスイヴ直前の、夜の会話。





Last difference





中学時代、偶然なのか必然なのか。3年間同じクラス。
そして義務教育ラスト3年目の卒業式に、どちらともなく付き合い始めた。始まりは、こう。
「そろそろ、付き合おっか」
切り出したのはリョーマで、頷いたのは私。3月の、すこしだけ寂しい風の中確かに始まった、歴史。
色の薄い桜が、印象的だったっけ。




「あれからもう3年かー…」
高校3年目、12月24日。早朝6時。1日しかない今日を思いっきり楽しみたいっていう私の提案で、こんな早くに公園で待ち合わせをした。足元に感じる冬の象徴、雪。決して積もってるなんて量じゃないけど、霜なのか雪なのかわからない程度の白さが心地いい。
まだ来ていない彼氏を待つ時間は、不思議と苦ではなかった。

!待った?」
ほらね。こういう雰囲気、好きなのよ。
白い息切らして、走って来てくれるリョーマが。
「待った。15分も」
「え、嘘!ごめん」
疑うってこと、リョーマはしないんだよね。
「ウーソ、たった今来たんだよ、私も」
「でも手冷たいし、待たせてごめん」
自然と抱きしめてくれる腕に、素直に甘える。
頬に感じる、リョーマのジャケットの温度がだんだん暖かくなるのが解る。
目が合うと、引き寄せられるかのように、軽くキスを交わす。何回か唇を重ねた後、そっと微笑んだリョーマの顔に、今更ながら胸が高鳴った。



「で、どこいくの?」
どこに向かってるわけでもなく、それでも公園から出ようかっていう話になったから、まだ人気の無い静かな道を進んでいく。
「…リョーマ考えてきてないわけ?」
「こんな朝早くに起こされたんじゃ、考える暇なんてないんだけど」
「ま、それもそうか」
そっけない返事を返したつもりが、思わず微笑みながら言った為に、自然と空気が和んだ。

「ねぇ、
「ん?」
「高校生活もさ、もう終わりだね」
「そうだね。どうしたのいきなり」
「俺たちの腐れ縁に驚いてんの」
「腐れ縁って…」
呆れながら返した目線の先にあったのは、満足感ある笑顔。
冷えた風がいつのまにか収まり、それでいて穏やかな追い風になっていた。

「だって中学からずっと同じクラスじゃん」
「嫌だったわけ?」
「んなこと言ってないって。俺たち、部活も違ったのにさ。こんな付き合い長いのって、完璧にクラスのおかげだし」
「だよねー、部活違うのって結構大きい溝っぽかったけど。よく考えてみれば、クラスの方が一緒にいる時間長いよね」
「そういうこと」
繋いだ手に、少し力を加えて言ってみた。
「そもそも同じ学校だったのって、何、運命?」
「そうだといいけど」
「…自分で切り出しといて、何その言い方」
静かな道だから、笑い声もよく響く。近所迷惑かなーなんて、思ったりもするけど。お互いに笑いを止めないのは、二人でいるこの時間を、なんとなく自慢したいっていう気持ちもあると思う。


「青学に入って、よかった」

そう言いながら、朝独特の色をした空を見上げたリョーマが、嬉しそうで、それでもどこか儚くも見えた。

「なぁんかしんみりしちゃってる?リョーマ」
「べーつに、幸せだなぁとか、思ってたりして」
あんまり嬉しそうに言うから、かえってこっちが恥ずかしくなって。
「…リョーマって、カッコイイよね」
「当たり前じゃん」
「…………」
「なに?」

照れ隠しにリョーマに話題を振ったのに、逆効果。我が彼氏ながらホント。かっこいーよ、この人。

今日という日、一緒に過ごせることを感謝します。神様。

「メリークリスマス、リョーマ」
「Merry Christmas、
「……英語的発音」
「悔しい?」

悔しいなんて訊かれたら、余計悔しくなるじゃない。
やられっぱなしは嫌だから、今までないくらい透き通った声で。精一杯の気持ちを込めて。
そっと、彼の耳元で囁いた。

「Happy birthday」

「……っ」

絡めた腕が微動したのを確認し、下から覗き込むように見上げた。
瞬間、こっちの心臓も跳ね上がる。

「珍しいモノ、みちゃった」
「……」
「リョーマ、真っ赤」
「っ、煩いってば!」

珍しく頬を染めて、あの真っ直ぐな瞳が控えめに私を捉えていた。

「悔しい?」
反撃のつもりで、私が訊ねる。
「あぁもう…!悔しいよ、悔しいから…」
「から?」

「俺以外には、やらないでよ」

一瞬だけ驚いて。
“独占欲強いなー…俺”、付け足しで隣から聞こえる、照れた声に微笑した。









追い風だったはずなのに、向きを変えたことで横風に変わる。その理由。
あの、リョーマ?
さっきからちょっと気になってたことが一つ。確か、行くあてもなく歩いてたはずなんだけど。いつの間にか目の前に一つの観光(?)スポットが。

「リョーマ」
、初めてじゃない?」
「もしかしなくても…」
「そ、ストリートテニス場」
「て、テニス〜?!!私やったことな…」
「だ・か・ら、俺が教えるって」
「えぇ?!」
「ほら、いくよ?」

唖然とする私を置いて、リョーマは軽快に階段を登っていく。ホントにこれからテニスする気だわ。行くとこ決めてないとか言っといて。
ー?早く早く」
…ま、誕生日だし。いっか。
「はいは〜い」
声の元目指して階段を登った。


「へぇ、結構広いんだねー」
「前よりまた増えたしね、コート」
「冬でも開いてるんだ?」
「雪積もってるわけじゃないし。余裕じゃない?」
「ふ〜ん」
「あ、シングルスコートあっちだから」

「まだ朝だからかな。誰もいない」
「その方いいじゃん、楽しめて」
「まぁね」
なんだかんだ言っても、興味あった。だってリョーマが好きなテニスだし。

「はい、ラケット」
「え?持ってきてたの?」
「無論」
「…気づかなかった。って、これリョーマの?」
「そうだけど。何、不満?」
「いえいえまさか!恐縮です」
「…ぷ、っ、なにそれ、」
突然改まった私を見て、吹きだしてた。恐縮にもなるよ、あのリョーマのラケットだよ?試合だって何度か見に行った。詳しいことは解らなかったけど、真っ直ぐに相手へ向ける瞳とか、熱くなってる姿とか。見てるこっちまで伝わってくる、想い。
リョーマがテニスにかける想いは、解っているつもりだ。だからこそ。
その試合中に使用した、ラケット。なんか、貴重すぎるような。

「いいって。俺が使ってほしいんだから」
私の手を引いて、足早にコートに入った。
ネットをはさんでの会話。気づかないうちに日が高くなってきたらしく、さっきより心なしか暖かい。
「なんとなく想像つくでしょ?見てたから」
「…ほんっとになんとなく、ね」
「じゃ、まずグリップの握り」
ストンと手のひらにラケットが収まる。それでいいから、なんて言われるけど、普通に握ってるだけだよね?リョーマ曰く、自然の持ち方が大事、らしい。


「んじゃ、俺からサーブね!」
反対側のコートにいるのに、声がよく通る。
結構テニスコートに立ってみると、広い。サーブの時は、決められた位置にいなきゃいけないのは知っていた。でも正確に知ったのは今日が初めて。
「…もしかして、ツイストサーブ?」
「…やって欲しいの?」
「え!いい!!遠慮します」
精一杯否定したことに、微笑したリョーマの上には既にボールが上がっていた。素人でも綺麗だって思えるようなフォーム。彼のラケットから放たれたボールは、私の横を斜めに、かつ気持ちよくすり抜けた。
「15−0」
「うそー…」
全然間に合わないっていうか、速すぎ。
「正確に打ってみたけど、ちょっと速かった?」
「速すぎだって!手加減しなさい手加減」
「了解」



それから何度か打ち続けてる間に、少しずつ、リターン数が増えていった。案外面白くて、夢中になって。一番使えるって思ったのがドロップショット。手前に落とすと、ちょっと慌てるリョーマも見られるし。そして何より、あの手塚先輩みたいで自分自身感動。
もちろん零式なんか程遠く、ごく普通に弾んでますが。
は脈絡なくドロップ打つから」
「やるじゃん私」
「何自分で言ってんの」
思いっきり手加減されてるのは解ってるんだけど、ここぞとばかりに得意げになってみたり。

でも結局、6−0。

「疲れたー!冬なのにこんなに暑いなんて、ある意味幸せなことだよ」
「俺のおかげじゃん」
コート脇のベンチに腰掛け、両脇には例の炭酸飲料。
「でもさぁリョーマ、何で私とテニスしようって思ったの?」
軽く話しかけたつもりだったのに、前を向いたまま、リョーマは真剣に話し始めた。
「…俺たちが付き合って半年くらいだったかな。、俺にこう言ったんだよ。“リョーマがテニスしてる時、自分とは世界が違う”って」
「あ…、うん。言ったかも、」
「正直、俺驚いてさ。俺はそんなつもりなかったから」
「……」
「強くなりたくて、ただそれだけで。他の人とは違うんだって見せ付けてやりたかった。けどそれは、と距離置くとかじゃなくて。逆に、一緒にコートに立ってる感覚」
「それで、私にテニスを?」
答えを求めて、顔を上げた瞬間、唇が重なった。
「…お前、言葉だけじゃ不安そうだからね。テニスしてる気分、味わって欲しいと思って」
「……ありがと」
「楽しかった?」
「うん、すっごく」
思いっきり笑ったら、彼も答えるように笑ってくれた。


「ねぇ、お願いがあるんだけど」
この際だし、頼んでもいいよね?
「何?」
「ツイストサーブやって?」
既にベンチから立ち上がって、コートへ向かう私と、目を見開くリョーマ。
「俺、の顔傷つけたくないんだけど、」
微妙に焦ってる様子が可笑しい。
「それは私も嫌。私が立ってないと打てないものなの?」
「一応相手がいてこそのサーブだからね。無理ってわけじゃないよ」
「じゃあいいじゃない」
「…ったく、仕方ないね。そこで見てて」
指示された場所は、審判の位置。真ん中だと良く見えるから絶好の場所。
「いくよ!……っ!」

バシュッ!まさにこんなカンジの効果音と共に、あっという間に相手コートにたどり着いたボールが、有り得ない方向へ跳ね上がった。
「やっぱすごいリョーマ、間近で一回見てみたかったんだ私」
「なんなら、もっとやってみる?」
「え、いいの?じゃ、ドライブB」
「あ、それは相手いないとキツイかも…」

「だったら僕が相手しようか?」

「……え、」

「あー不二ずるい!!俺がやりたいのに〜!」

「……は?」

思いもよらない声に二人は固まる。ゆっくり振り返ると、そこには予想通りというか、外れる筈もないというか。某学園OB、不二周助・菊丸英二が立っていた。後者に至っては、ピースまでして、なにやらご機嫌の様子。

「不、二先輩、菊丸先輩。お久しぶりです」
「久しぶり、ちゃん」
「まだおチビと付き合ってるみたいだにゃ〜、俺にすればよかったのに」

「……菊丸先輩、ツイスト、いきますよ」
「え!!嘘だって!冗談の通じない奴〜」
「ドライブAがいいッスか?」
「まぁまぁ越前、ちゃんの前で物騒だよ」
軽くため息を吐いたリョーマに苦笑しながらも、先輩方に笑顔を向けた。
「まさか、越前があんな優しいテニスするなんてね」
「そうそう!俺もびっくり。目線とかも優しいし」
聞こえてくる会話からすると、いったい何時からいたのか想像できる。けどいったい何処にいたのか。

「……?」
「え?」
心配そうなリョーマが目に入った。やば、ぼーっとしてたかな。
「いくよ」
「え、あ…ちょっ」
小さな声で確かにそう聞こえたと思ったら、手を引かれて、走りざるを得ない状況に。

「あ!おチビ〜?!」

「じゃ、先輩方!これで失礼しまーす!」
先輩たちに悪いと思いながらも、気を遣って走ってくれるリョーマに、ちょっとくすぐったさを覚えて。

「あーあ、逃げられちゃったね」
「ま、今日っておチビの誕生日だし。仕方ないか」

微笑んだ二人の横には、空の缶ジュースが2本、並んでいた。










「あ、リョーマ、ここ」
走り続け、息が落ち着いた頃に気づいたのは、目の前の大きなクリスマスツリー。
「ふーん、いいんじゃない?ライトアップしそうだし、夜」
「うん、絶対来ようね。それに、」
「それに?」
「なんでもない、おなか空いたし何か食べよっか」
納得いってなさそうなリョーマを横目に、近くのレストランへ足を運ぶ。いつの間にか音楽を奏でるようになった街は、クリスマスモード一色。そのことが妙に嬉しくて、意味もなくはしゃいでいた。






今年は、リョーマと付き合って3度目のクリスマス。そして、3度目のバースディ。いつも同じじゃつまんないと思って、違うことをしてみようって思っていた。ちょっと、驚かせようかなって考えたこと。実行時刻は、夜。






「とりあえず、適当に回らない?」
リョーマのこの言葉をきっかけとして、目に入る店々を順に回っていく。すれ違うのは恋人たちばかり。当たり前なんだけど、自分たちも同じってことが嬉しく感じる。私が幸せな所為もあるかもしれない。だからこそ今日は、すれ違う人たち皆、幸せであるようにと素直に願えた。

「不二先輩たちに、後で何か奢ってあげないとね」
「こっちが奢ってもらいたい気分だけど」
今日何回目かわからない笑い声。何で、とはあえて訊かない。きっと嬉しい答えが待ってると思う。それでも、言葉じゃなくても十分だから。




歩いてる時間は結構なものだろう。全然疲れてないのは、リョーマといることが一番の理由かな。クラスの友達と会ったり、違う学校のカップルにも会ったりした。一人でいるときはあまり人と会いたくないけど、今日は別。

「暗くなってきたね。今からあのツリーの前にいけば、ちょうどライトアップされてそうじゃない?」
「いく?」
「もちろん」
迷いなく頷いて、真っ直ぐ向かう。人ごみの中避けて歩くのが大変で、ちょっとぶつかった時リョーマが“大丈夫?”って声かけてくれる。それと同時に、強く握られた手。お礼を笑顔で返すことを何回か繰り返しながら、あの場所に着いた。





「「………綺麗…」」
思いがけなく言葉が重なった。そのことがなんだか可笑しくて。
「俺が言うと変?」
「ううん、ごめん。全然変じゃないよ、似合ってるし」
「…どういうリアクションとればいいわけ」
周りには結構集まっていたが、思ったより込んでるわけでもなかったから、なんとなく安心した。
「何個くらいあるんだろうねー…あの光」
空の透き通った黒を背景に、クリスマスカラーと呼べる何色かが色とりどりに輝いている。緑色のツリーは黒に染まり、その形はたくさんの光によって保たれていた。大きさの違う光は、かえって小さい方が頑張って主張しているかのようで、綺麗だった。

しばらくツリーに見惚れて、ふと隣を見上げると、自分同様にツリーを見上げるリョーマの横顔。穏やかな光を浴びたその横顔を思わず凝視してしまって、ちょっと焦った。

「リョーマ、手、だして」
「手?」
「違う、右じゃなくて左」

「Merry Christmas, the eve」

彼の左の薬指へリングを通した。
「去年、私に指輪くれたでしょ?お返し」
すごく驚いたように指輪に手を添えるリョーマ。
「…びっくりした、すげ…嬉し…」
リョーマの不意打ち笑顔の数々に浸ってる場合じゃない。
「よかった、…今のはクリスマスプレゼントね?あともう一つ」
「まだ貰っていいの?俺」
「あと一つは物じゃないんだ、でも頑張って練習してきたから…受け取ってね」
「練習?」

そう、これが誕生日プレゼント。
すうっと深呼吸をし、真っ直ぐ彼に向かう。

「I appreciate that it was able to meet you. It was really fortunate when it was allowed that it is in a side. Please be together all the time. I regard this day as important today when you were born. As not Christmas but a birthday being main. Let's make it the day which is not forgotten.Happy birthday,Ryoma.
(あなたに出会えたことを感謝します。傍にいることを許された時は、本当に幸せでした。どうか、これからもずっと一緒にいてください。あなたが生まれた今日この日を、大切に思っています。クリスマスではなく誕生日を主として。忘れられない日に。お誕生日おめでとう、リョーマ。)」

間違えてないか必死、でもなんとか言えた。練習したときは発音難しくて大変だったけど。今目の前にいるリョーマの顔みたらそんな苦労、簡単に吹っ飛んだ。
ずっと驚きっぱなしで聞いてたリョーマが、言い終わった瞬間ふわっと子供のように笑った。
………それ、弱いのに。

「その言葉、そっくり返したい。…日本語で」
「え!恥ずかしいからやめて!言うのにだってかなり勇気必要だったんだよ?」
「解ってるって。サンキュ、
今かなり顔が熱い気がする。思った以上に緊張して。それを解ってか、リョーマの手が私の頬に触れた。ひんやりしてて、気持ちいい。
「俺からは、これ」
頬に触れていた手で、髪をそっと耳にかける。
「え、な、なに?」
「黙って」
リョーマの顔が近づいてきて、唇が耳に触れた。吐息がかかる。
「……っ、ちょ、リョーマ…」
何してるのか解らないけど、自分の心臓の音が直に響いてるようにさえ感じた。
「とれた、」
「…ピアス?」
彼の手にあったのは、私が今日してきたピアス。
「もう片方ね」
有無を言わせない状態で、同じようにまたピアスを抜く。
「わざわざ口でとらなくたって」
「いいじゃん、嫌だった?」
「…全然」
悔しいけど、かなりドキドキしたし、目も開けられなかったし。
そんなことを考えてる間に、リョーマは既に違うピアスを手にしていた。
「もう少し待って」
耳に冷っとした感触。両方つけてくれた後、はい、って小さな鏡を渡された。

「……綺麗、すごく」
「色がみたいな雰囲気じゃない?…やっぱ似合う」
「ありがとう、嬉しい」
リョーマからの贈り物を肌で感じながら、彼に腕を絡めた。もう一度ツリーを見上げる頃には、さっきより人が集まって賑やかになっていた。






「メリークリスマス!!」
後ろから聞こえた大きな声に二人で驚いて振り返る。同時にくれたお菓子。大きな袋を持ったサンタさんがみんなに配っていて。何故かカップルは彼女にしかあげてない。

「お菓子もらっちゃった」
「そんなのが嬉しいの?」
「自分が貰えなかったからって」
「……う」

12月24日。25日とは違う、今日だけのイベントが最高潮に盛り上がろうとしている。


「ん?」

「Thank you for today. Only always being surprised. But it was very glad. Language a while ago. I want to say then,that's right. I can also meet and I think that it was good. The Christmas if it thinks, after coming to Japan -- it was together much. I need your help just here well from now on. Thank you.
(今日はありがとう。驚かされてばっかりだったけど、かなり嬉しかった。さっきの言葉、そのまま返したいのはホント。俺も出会えて良かったって思ってる。考えてみれば、日本に来てからのクリスマス、ずっと一緒だったよね。俺こそ、これからもよろしくお願いします。ありがとう。)」

恥ずかしくてかなり早口で言ったから、には聞き取れなかったみたいで。
俺の腕を掴んだまま、不思議そうな顔してるし。
まぁ、解ったら解ったでそれも困る気がするけどね。

「……なんて言ったの?全然解んなかった」
が好きって言ったんだって」

いつか見た、アメリカのツリーを思い出す。これより、もっと大きかったっけ。

「絶対見せてやるから。に」




数年後、合衆国と呼ばれる国で、私はこの言葉を思い出すことになる。











Fin



[感謝]
……物凄いかっこよくないっスか!?リョーマが!!
やばい。キュンてしてしまうー。笑
やっぱり英語ペラペラは、卑怯だよね(お前だけだ
それだけでかっこよく見えちゃうもんね
ありがとうございました!!

 家長碧華