号令がかかって、皆次々と帰っていった。
私もその中の一人になれると思ったのに・・・
不意打ちな彼
「ー!帰ろー!」
「うん!今行───」
「生徒会役員はプリントを今日中に提出してけよー!!」
「───けないわ、ゴメン。汗」
担任の言葉にプリントの存在を思い出す。
そういえば今日中だった。しかもまだ手をつけていないので真っ白である。
「待ってようか?」
「ううん、いいよ。今日のおばさん遅い日じゃん。弟達が待ってるよ!」
「いいの?ゴメン、じゃぁ先帰るね。バイバイ!」
「うん、バイバイ!また明日ねー!」
はそう言ってくれたが、真っ白なプリントが埋まるまで、
どれだけの時間がかかるか分からない。
もしかしたら短く終わるかもしれないが、
私がそんな短時間で終わるはずもなく。
のおばさんは仕事をしていて、今日は遅番の日だと言っていたはずだから、
弟たちはお腹をすかせての帰りを待っているはずだ。
そう思うと、を待たせるわけには行かなくなった。
「さぁってと。何処でやろうかなー」
教室は未だ掃除中だし、掃除が終わっても誰かかれか居るので集中できないし、
部室は先生が居ない時に使うのは基本的には駄目だ。
それを生徒会役員の私がしてどうする。
「仕方が無い、生徒会室でやるか」
あそこなら静かだし、丁度いい広さだからいいかな、と思い、
は生徒会室へ行くことにした。
今日は執行会の無い日なので、案の定誰も居なかった。
は自分の席に着くと、先ほど自販機で買ってきたお気に入りのココア・ラテを飲みながら、
黙々とプリントをやっていた。
「あれ、?」
「ん?あ、大野だー。やっほー」
入り口から聞こえた声に顔を上げると、
そこにはスポーツバッグを肩から提げ、右手にプリントを持った大野が立っていた。
そんな大野に対してひらひらと手を振ってみせる。
「何やってんだよ、こんな所で」
「んー、プリントやるのすっかり忘れててさ・・・。汗」
「はぁ・・・。汗
ま、担当役員が俺でよかったな、お前。もしこれが田中だったら─────」
そこまで言うと、大野は黙り込んだ。
しまった、という顔をしてる。
がどうしたのかと思い、田中くんだったら?と聞いてみると、
「な、何でもねえ!」
「は?何よー。気になるでしょー?」
「っ!いいから!さっさとプリントやれよ!七島にだけ忘れたって報告するぞ!」
「うっわそれマジ勘弁!やるからやめてー!」
生徒会担当の先生、七島の名前を聞いたとたん、
は今まで以上に必死にプリントに向かった。
がプリントをやるのを確認した大野は向かいの自分の机の上にバッグを置くと、
の方を向いて机に座った。
「なぁ、」
「んー?」
プリントに向かってがしゃべった。
ずっとプリントばかりやっていたので喉が渇いたのか、ココア・ラテを一口飲み、机に置いて、
またプリントに目をやった瞬間・・・
「ってさ・・・・・
彼氏とか、いんのか?」
ブッ!!
ずっと同じ体制でを眺めたり、携帯をいじったりしていた大野が、いきなりそんなことを言い出したのだ。
が噴出したくなるのも分からなくも無い。
だが、大野は予想以上の反応に驚き、
咽ているの方へ駆け寄り、背中をさすってやる。
大分よくなってきたが、大野に向かって苦情を言った。
「アンタ・・・!あたしがこれ飲んでたらどうすんのよ!噴いてプリントめちゃくちゃになってたじゃんか!」
「いや、そんなにいい反応するとは思わなかったから・・・。汗」
すまなそうな顔をして大野が近寄ってくる。
机に乗り身だしての背中をさすっていた為、手が疲れてきたのだろう。
近くにあったイスを引っ張ってきて、の机に肘を付いている。
「んで?どうなんだよ?」
「居るわけ無いでしょ!年齢=彼氏居ない歴だよ!」
「えぇ?!」
「何その反応!馬鹿にしてんの?!」
「や、してないけど・・・ってモテそうなイメージあったからさ」
「はぁ?どっからくんのよそのイメージは」
「だって、普通に可愛いじゃん。って」
微笑んで大野がそういうと、は顔を真っ赤にして俯いた。
「?」
「〜〜〜〜〜っ!!!帰る!!」
「え?!?!」
「プリント、ちゃんとやったからねあたし!じゃぁね!」
「おい、!」
バタン!
なかなか顔を上げないを心配して大野が覗き込もうとすると、
は真っ赤な顔のままプリントを押し付けて、
そのままカバンを持って帰ってしまった。
1人取り残された大野は、ただただ首をかしげるだけだった。
----- [ His surprise attack ] *END ROLL ------------------------------
いえい大野くん初夢!
最近友人(数名)の間ではやっております。大野くん。
私と友人Aは昔から大野くんラヴだったんですが、
友人Rは前回のちびまるこちゃんを見てはまったらしいです。遅いよ!
色々探したら、杉大がいっぱい居ました。
だけど大野くんの夢が見当たりませんでした。
ならば書けばいいじゃない!
そんなこんなで書きました。大野くん夢。
落ちが見当たらない。
あれです。分かるか分からないか程度の微かな恋心が
大野くんの一言で本物になったみたいな。
ごめんなさい。(え)
けいてぃと碧華に捧げます。笑
===Thank you very much!!===
大野クーン!!
何か大野クンの小学生じゃない顔が浮ばなくて困ってますが。笑。
・・・やべーよ。今日のまるちゃん見逃した!!
大野クン出てたらどうしよう。
まぁ、そんなことより。
どうもありがとうございましたー!!
家長碧華