コンコンコン


「ん?」


コンコンと窓を叩く音

この部屋は2階

時計の針はちょうど深夜の2時を指している

電気はついているもののこんな時間に2階にあるこの部屋の窓を叩く奴なんてこの部屋の持ち主、翼に思い当たる人は1人しかいなかった



「・・・ハァ」



シャッ



ため息をつきながらカーテンを開ける


















真っ赤で火星な逃亡劇

















「やっほぅv」

「・・・





そこには彼女のの姿






窓を開ける






「こんな時間になんかよう・・・」

「火星!!見に行こう!!!」



























「・・・ハ?」

「火星火星!!火星だってば!!」






そりゃぁもう眩しいぐらいの笑みを浮かべながら火星火星と繰り返す







「いや、そんなに何回も言わなくてもわかるから」

「じゃぁ早速行こう!!」

「なっ、ちょっと待てって!」

「何?」

さぁ、前から言おうと思ってたんだけどこんな夜遅くに人の部屋の窓叩いて、寝てるの起こしたら迷惑だとか考えないわけ?」

「考えてるって、電気ついてない日は叩いてないじゃん?」

「電気ついてたって寝てるかもしれないだろ」

「そんなこと言ったら夜に窓叩けないじゃーん」

「だから叩くなっていってんの」

「えー??それじゃぁつまんないよ?せっかく窓が近いのに・・・それに翼は電気をつけたまま寝るなんていうヘマしないでしょー?」

「・・・」





ニコニコ笑う彼女をみていると何も言い返せなくなってしまった

この数分間のあいだで何回目かのため息をつく





「ハァ・・・ま、なら別にいいけどね」

「じゃぁ早速火星!!火星みにいこー!!」

「わざわざ出かけなくってもこっから見えるじゃん」

「それじゃダメ!!どっか高いとこ!!」

「はいはい・・・」

「よっし!!それじゃ今すぐ翼の家の玄関前集合ねっ!!」














サイフをポケットに入れて1階へ

親や玲にバレたら面倒なのでなるべく静かに玄関へ向かう

無事誰にもバレずに玄関を出るとそこにはすでにの姿










「おっそいよー!!火星が逃げちゃう!!」

「バーカ、逃げるわけないだろ」

「ムッ、遅れたうえにバカよばわり!?・・・これはもう肉まんでもおごってもらうしかないねー」

「ハァ?何でそうなる・・・まぁいいけどね」

「ホント??やった!!にっくまーん♪」





そんなことを話しながら静かな夜道を歩いていく







「・・・で、その火星はどこに見に行くわけ?」

「あーっ、と・・・」






肉まん肉まん騒いでいたが急に静かになる







「まさか・・・何の計画も立てずに俺をさそったわけ?」

「・・・」

「図星?まったく・・・今どこに向かって歩いてるのさ」

「・・・コンビニ?」

「コンビニはさっき通り越しだじゃん・・・これは肉まんでもおごってもらうしかないね?」

「・・・」

「計画性のない誰かさんのおかげで無駄に歩かされて・・・」

「・・・オゴラセテイタダキマス」







俺は笑いながら、は財布の中を覗きながら

来た道を戻ってコンビニへ向かう







10分ぐらい歩くとコンビニに着いた

少し店内を散策して

最後に肉まんを2人でおごりあってコンビニを出る









ちょっと考えたら変かもしれない

中学生の男女がこんな時間に肉まんほおばりながら歩いてるなんて

警察にでも見つかったら補導されるかも








「で?これからどこに行くわけ?」

「んー・・・どうしよっか?どっか高いとこは・・・」

「高いとこって言ったってこの辺に高いとこなんて・・・」

「あっっ!!高いところ発見!!」

「え?」








が指差す先を見ると



















「・・・、本気??」

「なにが?」

「なにがってさぁ」









いままさにがのぼろうとしているのは公園のすべりだい

中3にもなってすべりだい?

てかさがしてたのは高いところじゃないわけ?



・・・これはどうみたって高くないだろ






そうこう考えているうちにはのぼり終わった様子







「ほーら!!はやくはやくっ!」

「・・・わかったよ」








をみているとそんなこと考えてるのが馬鹿らしくなってきたからやめた

そしてすべりだいにのぼる






















さぁ、火星みるってこんなところでよかったわけ?」

「うん!」

「でも高いところって・・・ここなら部屋の方がよっぽど高いじゃん」

「いいのっっ!火星みたいなんて半分うそだし」

「・・・はぁ?」

「あっ!!怒んないでね?半分はホントだよ?もう半分は・・・ただ翼といっしょにいたかったの」









またまた満面の笑みを浮かべてでが言う




不覚・・・絶対今顔真っ赤だ











「・・・ずいぶん嬉しいこといってくれるじゃん?」

「あはは〜、翼顔真っ赤だよ??」













ニヤニヤ笑っている










何か悔しかったからキスしてやった










「ハハッ、顔赤いですよー、ちゃん?」

「コノヤロウ・・・いきなりなんだー!!」

「別に、ごときにバカにされて悔しかったから仕返ししただけ」

「仕返しでキスすんなよ!!」

「なに?イヤだったわけ??」

「・・・いや、じゃないけどさ」

「じゃぁいいじゃん、2人幸せで、火星みれてさ」

「・・・そうだね」






2人見つめあって笑って、こういうのって本当に幸せだなーとか思ってたら







「あー・・・そこの2人」

「「えっ?」」











声が聞こえた

下を見ると1人の男







「翼・・・もしかしてこの方オマワリサンじゃない?」

「・・・みればわかるでしょ」

「とりあえず、下りてきなさい」







1部始終見ていたのか赤い顔のオマワリサン








「翼・・・」

・・・


















いっせーのー」





























「「でっっ!!」」

「あっ!こら!!!」










不幸中の幸い、すべりだいが低かったので2人で飛び降りて逃げた














真っ赤なある日の火星の下






2人の逃亡劇が始まった

























Haruka.K
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一応キリリク作品なのですが
甘甘ということで・・・したよね!!?碧華さん!!
こんなんでよければ・・・よくないですね
でも気持ちをめいっぱい込めましたので!!(いらん
それにしても久しぶりに書いたなぁ・・・やばっっ!!!前以上にすごい変!



==感謝==
ありがとうございますー!!
もうめっちゃ嬉しいですよ。
翼と火星を・・・!!(嬉
本当にありがとうございました!

 家長碧華