「お邪魔しまーす。」

「きゃぁvv翼ちゃんっvいらっしゃいvvvv」

「ただいま。ママ。」

「あら、ちゃんっ。帰ってたの?おかえりなさい♪」




・・・・・・この違いはなんですか・・・・・!?








[帰る場所]





「翼ちゃん、今日ウチでご飯食べていくでしょう??」

「玲のご飯を作らないといけないんで・・・・・・」

「それじゃぁ玲さんにも来てもらいましょうvvね、いいでしょ??」

「・・・・じゃあ、遠慮なく。(にこ」

「やったvvパパ!聞いてー今日は玲さんと翼ちゃんが・・・・・――――」



うちの家族は、変に翼を可愛がっている。
自分の娘がいるにも関わらずの溺愛。
可愛さが男の翼に負けるって・・・・・どうなの!?









ピンポーン


「あ、きっと玲さんねvv」


席を立とうとするママを止めに入る。


「あたし出るッ・・・・!!」

「あら、そぉ?じゃぁ、お願いねv」

「うんっっ。」


玄関のドアを開けると、やっぱり玲さんだった。



「こんばんわ。ちゃん。」

「コンバンワ、玲さん!あ、あのね玲さん・・・・・・・。」

「?どうかした?ちゃん。」

「後で、相談したいことがあるんだけど・・・・いい?」


恐る恐る聞いてみる。


「私に?いいわよ。」


玲さんはにこっと笑った。


「ほっ)・・・・ありがとう、玲さんっどうぞ!入ってv」

「えぇ、お邪魔します。」









その話を、こっそりトイレで聞いていた翼は、


の奴・・・・・・・・・・・玲に何の相談する気だ・・・・・・・・?)」


と、後でまた盗み聞きしようとたくらんでいた。







***



食事も終わり、は自分の部屋に玲をいそいそと押し入れた。


「何かしら?私に相談したい事って?」

「実は・・・・・・・・・・・・・・。」






ドア一枚挟んだ向こうで、盗み聞こうとしていた翼は焦っていた。


もしかしたら、女同士で分かり合える話で
男の自分には恥ずかしい内容ではないか、と・・・・・・・・・・・


そんな心配をよそに、は話しはじめていた。



「翼のことなんです。」

『俺のコト!?』


ピクリ、と反応する翼。


「翼がどうかした??」


「翼、あたしのことホントに好きなのかなって・・・・・」

「ッ・・・・・・・・・」『何っ!?!?』


声が出かけ、口を手で抑える翼。


「…?・・・・・・どう思いますか、玲さん!」



「・・・・・・・それは、本人同士で解決したほうがよさそうね(にっこり」


「え?どういうこと・・・・・・・・玲さん・・・まさか・・・・・・・・・・・。」


「翼。入ってらっしゃい。いるのはわかっているわ。」


『チッ・・・・・・・・・。』


キィ――


「つ、つばさっ。」

「私は席をはずすわ。納得がいくまで話し合いなさいね。」

玲さんはそういい残すと、自分の家に帰った。








「聞いてた・・・・?」

「あぁ。」

「どこから?」

「最初から。」

「・・・・・・・・・・・。あのね、翼。」

「良い。何も言わなくて。」


「・・・・。」

…翼、怒ってる・・・?


「好きだよ。」

「えっ・・・・・・・・・///」

「不安なら何度でも言ってやるよ。
 が好きだ。」


…チクリ


「うん。あり、がと翼・・・・・・・・。」


「それにしても、何でそんな事思ったわけ?
俺がそんな態度見せた?そりゃぁ言葉で言わなかった俺も悪いけどさ。
あ、柾輝の彼女と遊んだコトまだ怒ってるわけ??
アレはちゃんとすぐに謝ったじゃん。そんなことで根に持ってたの??」


「そんなことで・・・・・・・・・・・?」



「ほんっと分かってない。
俺はしか目に無いっていつも言ってるでしょ。
女の子と話すたびに嫉妬されたんじゃやってらんないね。」


…ズキンッ


「分かってないのは・・・・・・翼でしょ・・・・・」

「は?俺が分かってない?ナンデ??」


それは…
さも、自分は間違っていないと言いたげで
その瞳は私を強く否定していた。


「不安だったら、何度でも言ってやる・・・・・・・・?
イラナイっ。そんな言葉、聞きたくないっ・・・!
好きなら態度でしめしてよ?
そうしたら、好きは一度だけでいいよっ。

あたしは翼が好きだよっ。
だからいつでも不安にならない時はないっ。」





「・・・・・・・・・翼はあたしのこと好きなの??
言葉だったら何でも言えるよっ。
少しは、あたしの考えも分かってよ・・・・・・。」



「なに、ソレ。
俺がの気持ちや考えを分かってないって言うの?」

「そうだよ・・・・。分かってない。」

「じゃぁ、正直言うよ。
俺には今のお前の考えが分っかんないね。
好きだって言ったのにキレるし・・・。
分かれっていうほうが無理だね。」


「やっぱり、分かってくれないんだ。
分からないんじゃなくて、分かろうとしてないでしょ?翼。」


…違う。
こんな喧嘩をしたいんじゃない。


「だから、分かろうとしてるのにが変なコトを言うからだろ!?」


…あたしはただ、
ママに翼がとられちゃうんじゃないかって・・・
不安だっただけなのに・・・・・・・・・・・。


「間違いを認めないのは翼の悪いクセだよ。」


…心とは、裏腹な言葉。
なんでこうも怒らせるようなことを言ってしまうんだろう・・・。



「カァッ)・・・・・・・・・・・もういいっ。
勝手にしろよっ。なんか知らないっ!!」



部屋を、出て行く翼。



部屋の中央で1人座り込む私。



バカだな・・・あたし・・・。


自分勝手で、我が侭・・・・・・・・・・・。



その日は、絨毯の上に横たわってクッションを枕にし、
昔…翼から貰った誕生日プレゼントのうさぎのぬいぐるみを抱いて眠りについた。





夢は、暗闇で翼に置いて行かれる夢だった。






***


翌日。

起きて私をさっそく迎えたのは、明るいママの声だった。


ちゃんおはようv
今からね、ママ翼ちゃんとお出かけするからvvv
ちゃんお留守番お願いねっv」


「・・・・・・・・・うん。」




ピンポーン――


「あ、来たみたいvvそれじゃぁ、行って来るわねv」

「いってらっしゃい・・・ママ。」



とても、いってらっしゃいvと笑顔で送り出せる状態じゃなかった。



うきうきと私の部屋を出て行ったママ。
その調子で翼を迎えた。


『おはよう翼ちゃんvv』

『おはようございます。忘れ物ないですか?』

『あっ、そういえば・・・・・・ちょっと待っててくれる??』

『はい。』



と、また家に戻ってくるママ。



私は部屋の窓から下を見た。

こっちを見てた翼と目が合う。


…ドキッ



『お待たせっ翼ちゃん。さ、行きましょうかvv』


フィ…っと私から視線を外す翼。


『はい。(にっこり』











つばさ・・・・・・・・・・。


クラッ――


「ッ!!」


急に眩暈がしてベットに倒れ込む。



…寒い。


自分のオデコを触ると、普通じゃない熱さだった。



「風邪・・・・・・・・・・・・?」



まさしく、弱り目に祟り目。






ツイテナイ。









***



、顔色悪かったような・・・・・・・・・。)」


「んーっと、翼ちゃん。
薬局行きたのだけれどいいかしら??」


「薬局?(まさか、ね。)」


「えぇ、包帯と傷薬と消毒液を買っておこうとおもって。」


「そんなもの、今いるんですか??」


消毒液や傷薬なら、まぁあればイイに越した事は無い。

けど、包帯は??

あまり必要性が無いと思える。

そりゃぁいつ怪我をする分からないけれど・・・・・・・・・・・。

だからといって今買う事はないような気がする。
(別に安売りしている日でもない)


「まぁね、きっと必要になるものv」


と、ウインクをして答えられた。




ヴォォン――

自動ドアが開くと同時に冷気があたって気持ちいい。

外は炎天下だ。

サッカーをしているからといって、暑いものに強いわけじゃない俺は
外に居るだけで自然に流れ落ちる汗を拭った。



「翼ちゃんは何か見ててくれる?
欲しいものがあったら買ってあげるわv」

「わかりました。」


とはいっても薬局というのは男にとってそんなに楽しい場所じゃない。

女なら、化粧品を見て回れるんだろうけど・・・・・・・・・・・。



『そこのあなたっ!』

ビクッ!!

急な声に驚き振り向く。

そこには一台のテレビがあった。


『夏の暑さなどで疲れていませんか!?』


こういうモノはつまらなくても見てしまうという性の翼は、
立ち止まってテレビからの問いかけに頷いていた。



『夏の紫外線をなめてはいけません。
紫外線対策に、外に出るときは必ず帽子を被りましょう。
水分はこまめにとりましょう。基本ですね。
………
顔色が悪く見えたりした場合は夏風邪の初期症状です。』


「(顔色が悪く・・・・・・夏風邪・・・・。・・・・・。)」


考える翼の目の前では、まだコマーシャルが続いている。

『そんな時にはコレ!!
当店オススメ"風邪ナオール2"』


いかにも、インチキくさい商品名。
しかも2という所がおかしい。



「翼ちゃん、何かいいもの見つかったかしら??」

「・・・・・・あのっ、俺やっぱ帰ります!!
1人で心配だから。 スイマセン!」

「えっ、翼ちゃん!?」


あっという間に店内を去る翼。


「んー。いいわねぇv若い人はvv
私も今度パパとデェトしようかしらvv」










***




!!」


バンッ――


の部屋に入ると、ベットに倒れているがいた。


「つば、さ・・・・・・・・・・・?」


熱に浮かれた顔をして自分を見てくる


「だいじょぶか??・・・熱い。やっぱり・・・・・・・・・。」


額に手を当て自分と比べる。


「なんで・・・・・・・・・・ママと買い物いったんじゃ・・・・・・・・。」


「いいから喋るなって。今、おかゆ作って持ってくる。」


すると、は翼の服を引っ張り首を横に振った。


「いい・・・・・・。お願い、側にいて・・・・・・・。」


「・・・。(コクン
寝つくまでずっと側にいるから。」


翼は優しくの髪を梳いた。






「翼、昨日はごめんね・・・・・・・・・。
いつだって、ホントのこと言ってくれて
好きだって言うのも信じれたはずなんだけど・・・・・・。」


"ママと翼に嫉妬をしていた。"


いつも、こう考えていた。

…ママはいつも翼ばっかりで、、あたしなんか好きじゃないんだ。
…翼はあたしよりママに気を使う。ママが好きなのかも・・・・・・・・。



そう正直に言うと、翼はクスっと笑った。


「そんなワケないだろ?おばさんはのこと愛してるよ。」


おばさんは料理があんまり得意じゃない。
だけど、のためにケーキを作ろうとしてたんだ。
最近、料理教室に通い出したのを聞いた。

それなら包帯や傷薬、消毒液を買うのも納得できる。


「でも、翼はママのこと好きなんでしょ?」

「だーかーらぁ。なんでそうなるんだよ?
俺とおばさん何歳とし離れてると思ってんだよ。
しかも、おばさんにはいい旦那がいるだろ?」


「じゃぁ翼は誰が好きなの?」




・・・・・・ちゅっ



「えっ・・・・・・・・・・・。」


に決まってるでしょ。」


「そ、そう・・・・・・・・・・・////」


ゆでたこよりも、真っ赤に染まるの頬。


なんだかとても愛しくなって、

今度は頬じゃなく唇に口付けた。




「翼っ、風邪移る!!(汗」


「いいよ。のなら。
それに風邪ひいたらつきっきりで看病してくれるよね?(にっこり」


それは、天使のような悪魔の笑顔で。


ありえる先の未来に少し期待を寄せながら

は――


「もちろんっ。」


っと返事をした。







***



「ただいまvちゃん、翼ちゃん・・・・・・・・・?」


部屋のドアをあけると、

ベットで寝ているとその横で手を繋いで寝ている翼と姿。


の額には濡らしたタオル。


「まぁ・・・。熱があったのね・・・。
ごめんなさいね、ちゃん。
至らない母親で・・・・・・・・・・・。」


そっと部屋を出て、台所で氷水にタオルを浸し
濡らしたタオルを今のものと交換した。


そして翼にブラウンケットをかけ、

起こさないように小さな声でつぶやいた。



「お休み、いい夢を。

2人とも大好きよ。私の子供達。」





翼はその日、なんだか温かい夢を見た。
よくは覚えていないが母の声を聞いた気がした。










***




その後。



「翼ちゃんvちゃんvママ今日はアップルパイを焼いたのよvv」


食べてみてvと自身たっぷりに言うママ。


「・・・・・・・・ん。おいしいっ。美味しいよママv」

「おばさん、上達したね。」


「そうでしょvv今度は何作ろうかしら・・・・・・。」

「おい、ママ。たまには僕に作ってくれよ。」

「まぁまぁ、パパ。嘆かない嘆かない。」

「俺たちが結婚したら存分におばさんの料理食べてくださいv(にこっ」

「「け、結婚!?」」


両親2人が驚く。


「な、?」

「うんっ。翼にはあたしが特製の料理作ったげるからねvv」

「楽しみにしてる。。」








「もうそんな歳か・・・・・・・・・・・。はやいものだな。」

「えぇ。ホントに。まだまだ成長が楽しみですわ。」

「温かく見守っていこうか。な、母さん。」

「えぇ、あなた。」





これが、将来のと翼の未来となる日が近いうちにくる。






家庭。
それは温かい場所。







お家へ帰ろう。






きっと、いつも見守っていてくれるから。


そして、変わらぬ愛情を繰り返し与えるために。







-fin-




ブラウザバックお願いします。


後書き
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スイマセン・・・・・・・・・・・
何がドリィムだ!!デモが起こりそう…
なんか温かい雰囲気だしたかったんです!!(涙
翼夢でもなんでもありませんコレ…。
しかもまだキリリク溜まってるし・・・・・・・・・・・
うひゃぁー。
遅くなりましたが11300hitキリリク。
碧華ちゃんに捧げますv

捧げてしまった駄文なので、
煮るなり焼くなり捨てるなりしてください♪


柚杖。

03/8/13





もー!ありがとうございます!!
素敵過ぎる・・・!素敵過ぎますよ、柚杖サン!!(笑
温かい雰囲気出てますって!
私には出せない雰囲気が出てます(笑
本当にありがとうございました!

 家長碧華