「さて、翼君!君に問題です!来週にあるイベントと言えば!?」
「何急にどうしたの・・・。クリスマスじゃないの?」
「そう!クリスマス!恋人達のビッグイベント、クリスマス!!素敵だよね〜・・・。」
「・・・それがどうしたってのさ?」
「そう、それで!飛葉中サッカー部皆で、クリスマス会をやろうと思うのです、キャプテン!」
You & I Are Choosing Another Road Now , But Roads Will Blend Together...
「・・・ハァ。そんな事だろうとは思ったけどさ・・・。で、どこでやんの?」
「・・・えっ!?OKですか!?」
「OK貰いたかったんじゃなかったの。」
「そうです、そうです!わぁいvじゃあ、私皆に知らせてくるね〜v」
「・・・ハァ。」
自然と溜息が漏れた。
「・・・僕だけ・・・ではないんだ・・・。」
そんな事を考えながら、僕は部室に入っていった。
「おい。翼・・・。」
部室に政輝が入ってきた。
「・・・ん。・・・何、政輝?」
「クリスマス会やるってが張り切ってたけど・・・。」
「そうみたいだね。・・・なんでまた急に。」
「俺も思った。イベントとかあんまし興味なかったのにな、。可笑しくなったのか?」
「はもとから可笑しいだろ。・・・ホント、どうしたんだろうね。」
の急なクリスマス会提案に、疑問を募らせている僕と政輝。
「ってな訳で!クリスマス会は翼んちで行います!」
「ふぅん・・。って、僕の家かよ!?」
「だって、翼の家が一番広そうなんだもんv」
「そうだぜー。翼んちめっちゃ広ぇもんなぁ。」
「って、お前等んち見たことあんのかよ?」
「ないけどさ、翼の方がでかいって。」
さっきから誰のうちでやるのか話し合っていた(っぽい)けど、
馬鹿4人と政輝だけで決めた結果が僕んちだったらしい。
「反対。まえお前等が来た時散らかって散らかってしょうがなかったんだからな。」
「え〜!いいじゃん!」
「そうやで〜!いいやんかー!」
「嫌な物は嫌。他のうちでやれよ。」
はしゅんとする。
本当に残念がってるみたいだ。
「・・・しょうがないな・・・。いいよ。今回だけね。」
「・・・え、ホ、ホント!?ありがと〜!翼大好き〜!」
「はいはい。分かったから離れろ。」
が引っ付いて来たけど、いかにも嫌そうに振り払う。
「むーっ。いいじゃん〜。抱きつくぐらい〜!」
「よくないの!離れろよ!」
数十分と僕のやり取りが続いてた。
そして、待ちに待ってもいないクリスマスがやって来た。(僕は待ってないけど
「おっはよ〜、翼ー!」
「・・・おはようでもないと思うケド。準備は全部僕がやるって言ったじゃん?何でこんなにだけ早いの?」
「え〜?・・・ただ、早く来たかっただけ!それだけさ!ほら、客なんだから入れてよ!」
「ハァ・・・はい、入って。」
そう言うと、が「お邪魔します。」と言って入ってきた。
準備は、まだ11時だから始めてない。
「・・・わぁ。やっぱり広いね翼の家!」
「そう。そんなのいいから上行っててよ。お茶運ぶから。」
「え?いいよ、お茶なんて。勝手に来ただけだし!」
「・・・そう?ならいいけど。ホラ、早く上行って。」
「ハ〜イ。」
クリスマス会の準備を、結局二人でする事になった。
何か違和感があったけど、いつもの事だから気にしなかった。
「ねぇ、翼?これって何所につけるの?」
「え?それはツリーのどこか。適当にやっていいよ。・・・あ、変な風にやるなよ?」
「はいはい。・・・じゃあ、こんなもん?」
「あ、それくらい。じゃあ次コレやって。」
直樹達が来る1時間前に、準備は終わった。
「あとは・・・料理、かな?」
「だね・・・。あ、料理は僕の母さんがやってくれるって言うからやるなよ?」
「あ、そうなの。どおりでいい匂いがしてると思った。」
は少しキッチンの方に顔を向け、言った。
それに、僕はあきれた様にいう。
「全く。鼻だけは犬並だね。」
「それほどでも!」
「・・・褒めてないんですけど・・・。」
「え?褒めてなかったの!?」
「分かれよ。」
「分かんなかっただけじゃん!ブーッ!」
が顔を膨らまして言う。
――――・・・可愛い・・・。
こう思ってしまう僕は重症なのかも知れない。
「あ、翼翼!政輝政輝!政輝来たー!」
「え?政輝?予定時間より後40分あるのに?」
ピンポーン
「はいはいはい。今でま〜す!」
「僕が行くよ。僕んちだし。」
僕が玄関に行く。
何となく人がいるのは分かる。
「はい。」
「お、翼、よぉ。」
「政輝、早いね。後40分もあるのに。」
「いや、何となくだけどよ。・・・なんか今年準備早くねぇ?」
「あ?そう?・・・あ、がいるからかも。」
僕が思い出したように言うと、政輝は驚いた。
「がいるのかよ?」
「え?うん。いるけど?11時ごろ来て準備一緒にやってくれたんだ。」
「・・・ふぅん。」
政輝が黙った。
僕も雰囲気につられて黙った。
僕と政輝は、黙ったまま僕の部屋に行った。
そこには、もう既に席についているがいた。
「あ、翼!政輝!遅いじゃん!ホラホラ、早く座りなよ!」
「・・・座れって言っても、まだゴロクザル来てないだろ?」
「いいの、いいの!座るだけだし!」
「そんな問題か?」
「そうなの。そう言う問題なの!」
は一人騒いでた。
・・・やっぱり、今年のは可笑しい。
前までは、クリスマスとか、正月とかは、誘ってやっと来るような感じだったのに。
・・・絶対、何かあると思う。
ピンポーン
「あ。きっと直樹達だよ!入れてあげなよ!」
「え?・・・あ、あぁ、うん。」
「珍しいな。あいつ等がインターホン鳴らして入るなんて。」
「・・・確かにネ。」
そう言って、僕は玄関まで降りて行った。
ガチャッ
「メリークリスマスやで!翼!」
「・・・入室第一声がそれ?頭終にいかれた?」
「そんなんはどうでもええやん!・・・それより、もうと政輝来てるんかいな。」
「あぁ、来てるね。」
「気合入っとるなぁ!あいつ等!」
「・・・ハァ。」
の急なイベント態度に何も感じずにいられるお前らを尊敬するよ・・・。
「・・・っておい!勝手に行くな!」
「ええやんか別に!どうせ行くんやし!」
「まぁそうだけど。」
クリスマス会開始
「メリークリスマース!」
「メリクリー!」
と馬鹿3人は、早速乾杯したかと思うと、料理にかぶりついた。
「美味しいー!翼のお母さんって天才!?」
「美味いやろ!天下一品やで、この料理は!」
馬鹿とが話してる。
口や目は笑ってるけど、時々見せる悲しげな表情は何なんだろう。
「・・・?」
「え?なに、どしたの、翼?美味しいよ、食べな!」
「・・・何でもない。」
気のせいだ、と自分に言い聞かせて、料理に手をかけた。
しばらくして、が急に何か言い出した。
「・・・ぁ・・・ねぇ、そろそろプレゼント交換をしようよ!」
「え?もう?」
「うん!そろそろやんないと、寝ちゃう人が出てくるでしょ!」
「そうだな。やろうぜ。」
「・・・やるの久しぶりかもね。」
そして、僕たちは、お互い用意したプレゼントを出して、回しだした。
「ねぇ・・・何か曲歌おうよ・・・何所で止めればいいんだか・・・。」
「あ、そうだね。じゃあ、あわてんぼうの〜♪サンタクロース〜♪」
「何でそれなんだ・・・?」
「〜〜〜♪リンリンリン、リンリンリン、リンリンリン〜♪・・・ハイ!ストップ!」
の掛け声とともに、回しが止まる。
「・・・わい、政輝のや。」
「俺、直樹の。」
「俺は・・・兄貴の。」
「俺は六助のか。」
「・・・僕は・・・の?」
「私は翼のだね!」
は、そう言うと手を上にあげて言った。
「いっせいに開けようと思う!」
「お、そらええな!開けよう!」
「じゃあ、開けよう!・・・せーのっ!」
ガチャッ
「・・・え?」
「・・・は?」
「・・・お?」
僕たちは驚いた。
せーのと言った瞬間に、が部屋から出て行ったのだから。
「な?何が起こったんや?」
「知るかよ・・・がいきなり飛び出してったんだからよ・・・。」
「・・・僕、追いかけてみるよ。」
僕は、の所に早く行きたかった。
早く行かないと、いなくなりそうな気がするから。
「ハァ・・・ハァ・・・。」
私は、最後に笑えた。
最後に、翼に笑いかける事が出来た。
・・・それだけで、充分だよ・・・。
「・・・後は・・・この手紙、郵便受けに入れて・・・。」
「!!」
後から声がした。
聞き間違いじゃない、この声は・・・。
「つ、翼・・・!!?」
私は驚いた。
追ってくるはずないと思ったから。
「な、んで・・・いきなり飛び出したりするんだよ・・・!」
翼も少し息が切れてる。
アレからすごく急いで来てくれたみたい。
「・・・プレゼント、見た?」
「はぁ?今はそんなことを聞いてるんじゃなくて・・・。」
「ねぇ・・・見た?」
「・・・見てないけど。」
翼も、私が問い詰めれば答えてくれる。
「見てくれる?」
「・・・うん。」
翼が私の綺麗にラッピングされた袋を開ける。
「・・・タオルと・・・手紙?」
翼は少し混乱している様子。
・・・無理もないかな?
「・・・な!・・・何だよ、この親愛なる皆さんへって!」
さすが翼。そこだけで別れ話だって気付いたんだ。
・・・正解だよ・・・。
「・・・ごめん。今まで黙ってて。・・・私、これからアメリカ行くの。」
「はぁ!?何で・・!言わなかったんだよ!!」
「・・・ごめん。・・・それが、今日出発で。最終便に乗るから、今から・・・。」
「今日!?・・・!お前、ふざけるのも「ふざけてなんかないよぉ!!」
翼が言い終わる前に、私は言った。
翼の言葉に、耐えられなかったのかも知れない。
証拠に、私の目からは、涙が溢れている。
「な・・・。」
「ふざけてなんか・・・ないよぉ・・・!私も分かって、言って、るんだからぁ・・・!」
「・・・・・・。」
「だから・・・っ!そんな事・・・っ!」
「・・・。」
翼が私の名前を呼んだ瞬間、
私は、翼に抱き締められていた。
「・・・つ、ばさ・・・?」
「ごめん・・・。辛かったんだよな・・・今まで。」
「・・・。」
「お前の様子が可笑しいのに、気付いてたのに、何も、言えなくて・・・。」
「・・・。」
「最後には、こんな、辛い思いしてまで、アメリカ行きのこと、伝えようと、して・・・。」
「・・・!」
「・・・ホント・・・ごめんな・・・っ。・・・っ。」
私は驚いた。顔をあげれば、翼が涙を流していて。
すごくすごく、辛そうな顔をしていた。
「翼・・・。」
「・・・。」
私が言おうとすると、翼の手が延びて来て私の頭を翼の胸に押し当てる。
・・・涙を、隠したいのかな・・・。
「・・・翼・・・?あのね、私・・・「聞きたくない。」
私の声が、翼の声で遮られる。
「・・・え?翼?」
「・・・聞きたくない・・・。これ以上、泣いてるの言葉聞きたくない。」
「・・・ね、ぇ・・・聞いてよ。泣き止むから・・・。」
私は、服の袖で涙を拭う。
そして、翼の腕から離れ、にっこりと笑って翼の顔を見て言った。
「私は・・・私は、世界中の誰よりも、椎名翼を愛しています。」
「っ・・・!?」
翼は驚いた顔してる。
当たり前だけど。
「・・・じゃあ、もう行くね。出発する時間になっちゃう。」
私は、翼の家を離れようとした。
「・・・待て、よ!」
翼が、私の腕を掴んだ。
「・・・離して・・・。離してよ・・・!遅れちゃうでしょ!」
「嫌だ。離さない。」
「お願い・・・離して・・・!」
「言い逃げなんて、僕は許さないからね。」
「・・・え・・・っ?」
私は驚いた。
すごく、すごく真剣な顔で、翼は私を見ている。
だんだんと、翼の顔が近づいてくる。
翼が、私の頬に手を当てている。
そして、翼と私の唇が重なった。
「・・・んっ・・・ぅ・・・。」
少しして、翼が離れた。
「・・・つ、翼・・・?」
翼は、さっきと変わらない表情で私を見る。
そして、翼が口を開いた。
「・・・僕は、世界中の誰よりも、を愛しています。」
「っ!!」
私は、涙が再び溢れてくるのがわかった。
感動に耐えられず、私は腰をおろした。
「・・・び・・・くりした・・・////」
「僕だって、言われた時はびっくりしたよ。」
「だ、だって、さっき伝えないと、もう伝わらないから・・・。」
「・・・ハァ。」
「で、でも、りょ、両想い・・だよねっ?」
「そう言うこと。」
「・・・ありがとう・・・翼・・・。」
「・・・どういたしまして・・・・?」
「何で最後疑問系なの?」
「そう言っていいのかわかんなかったんだって。」
私達は微笑みあう。
悲しみの入り混じった笑顔じゃなく、本当の、笑顔で。
「・・・じゃあ、本当に、そろそろだから・・・。」
「・・・うん。・・・?」
「?なに、翼?」
顔をあげると、翼の唇が私の唇に重なった。
少しそのままだったが、離れた。
「・・・帰って来いよ。」
「・・・分かってる。自立でき次第帰ってくる。」
「「バイバイ。」」
どちらからと言うわけでもなく、二人は唇を重ねる。
〜〜〜〜〜〜〜 あとがき 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
クリスマスフリー小説です。
翼夢、どうでしたかね?
少し切ない系でしたが。
フリー配布期間は1月15日までとさせていただきますので!
欲しいと言う方は、掲示板に一言言っていってくださればいいですので。
それでは。
12/24 小坂井瑞希
==感謝==
フリー小説ということで頂いてきましたー。
切ないけど格好良い翼ですよね。
こんな素敵な小説は書けませぬ。
勝手に頂いてきた小説でした!!
家長碧華