「、今日いつものスポーツショップ寄っていこうぜ」
「ん、いいよー。あ、今日火曜日じゃん。夕方にジェラートだねっ」
手を繋いで歩こう
高校から歩いて15分くらいのところにある、大型スポーツショップ。
オレたちサッカー部だけじゃなく、他の運動部はよくそこを利用している。
スポーツグッズだけじゃなく、普通の服とかカバンとかも売っている便利な場所だ。
買うものがなくても行くやつらだって結構いる。
そのスポーツショップの中にジェラート屋がある。
オレらは常連といっていいほどそこに通っていた。
この間6時頃にとそこへ行ったとき教えてもらった情報だ。
[火曜日と木曜日の夕方はジェラートを新しく作ったばかりだから美味しいのよ]
オレと付き合う以前からジェラートがすきだったでも、この情報は知らなかったらしい。
それからオレらはその美味しいと教えられた時間によく行くようになった。
「今日はフットサルシューズ見るんだっけ?」
「うん。そろそろフットサルに変わるからね」
と手を繋ぎ、いつもの道を通る。
その通り道には、毎年クリスマスのイルミネーションに力を入れている家がある。
もうすでにイルミネートされている。
今年は去年より気合が入ってるらしい。
「あ、プーさんがサンタさんの格好してる。サンタさんが手振ってるよ、翼!可愛いなー」
「はいはい、止まらないで歩く」
が止まったことによって最大限に二人の腕が伸びる。
オレが一歩戻れば、だらんと腕が下がる。
大きな声で歓声をあげているに苦笑いを浮かべてしまっても、恥ずかしいとは思わないのはバカかもしれない。
でも、周りに人がいなくてよかった。
ここはあまり人通りが少なく車はよく通る道で、歩道が狭いせいもあるかもしれない。
もしかしたらこの家の人が、あの子が可愛いって言ってくれてる。飾ったかいがあった。と思っているかもしれない。
作った側の思惑に嵌ってるわけだ。
「、ジェラートが待ってるよ」
「よし、行こうか翼。今日は翼の奢りねっ。私ダブルー」
「このやろっ」
クリスマスまであと少し。
寒くなった今日だけど、こうやって歩くのも悪くない。
あ、クリスマスにジェラートをに奢ってもらうのもいいかもね。
061202 家長碧華