「若菜ー!これ見てみろよ!」
「ん?なんだよ藤代。あ、砲丸投げじゃん」
「世界陸上 in 大阪!ここどこだと思う?」
「・・・ここはもしかしてオレたちのホームスタジアム・・・」
「ピンポーンッ!」
「うあぁ!そんな鉄の球をピッチに投げんなぁ!!」
「よかったー・・・in 東京じゃなくて。ピッチの芝すっげーめくれてるぞ」
「グラウンドキーパーのおじさんはどこだ!オレたちのピッチが!!」
「うわ!すっげー投げた!よくあんな投げ方できんな」
「藤代!なに感心してんだよ!」
「だってオレのホームグラウンドじゃねーしー」
「こいつムカツク・・・!!なんでオレは今ココにいるんだ・・・!大坂ではなく福島に!オレたちのピッチが荒らされているのに!!」
「代表合宿じゃん。若菜大丈夫か?」
「こいつらバンバン投げやがって・・・!太りすぎだっつーの!!」
「どこ突っ込んでんのさ、若菜。これってキーパーの位置から投げてるよな?」
「そうじゃねーかな?」
「ペナ内はボロボロだな。GKが出すぎてあの芝がめくれてるところに足引っ掛けたりしてゴール入れられちゃったり」
「ふ、藤代――ッ!!」

「あ、キャプテーン!世界陸上めっちゃ楽しいっスよ!」
「そ、そうなのか?でも、若菜は死にそうだぞ・・・?」
「関係ないッス!」

「一馬ー!!オレたちの、オレのピッチがぁー!!」
「あんなのすぐ直してくれるって」
「ボランチの位置までは投げるなお前ら!あぁーっ!!そこバイタルエリアだろぉ――っ!!大事なエリアなんだよーっ!!」
「誰か結人のチームメイトいねぇーのかよ。直るって言ってやってくれよ・・・」





「なんだ藤代まだ世界陸上見てるのか?」
「あ、キャプテン。ちょっと見て下さいよ」
「ハンマー投げか?」
「そうっス。・・・投げられた後のピッチ見て下さい」
「土が出てきてるな。普通にサッカーやってもこんなにはならないな。芝がめくれるぐらいだな」
「さっきの砲丸投げよりすっげー酷い!これ若菜に見せたらもっと狂うんじゃないッスか?」
「確かに。これは、な。しかも70M辺りだろ、ボロボロなの。MFの域だな」
「オレんとこのホームグラウンドがこんなになってたら結構ショックかも。いくら直るからといって」

「あぁ――っ!!藤代ー!!そんなもん見るなー!!!ハンマー投げは見ちゃいけないものだ!!」
「あ、もうわかってたんスね若菜のやつ」
「そうみたいだな・・・」
「77Mも飛ばすやろうに・・・オレたちサッカー選手が敵うわけがねぇ・・・!!遠くからシュートぶつけるぐらいしか・・・!」
「結人!それはやめとけ!プロのやることじゃない!ピッチは直るんだよっ!」
「うるさい、一馬!オレの気持ちなんてわかるかぁーっ!!」





やっちゃダメだよ、反則だから
(グラキーのおじさんに慰めてもらお)(おー・・・そうしろ)





070825 家長碧華