この日射しのように眩しくて





って、結構肩強いんだな」
「ん?そうかな?」



スローインやってるからじゃない?そういって、はサッカーのスローインの真似をしてみせる。 今日の体育は男子はサッカー。女子はソフトボールだった。 野球(今はソフトボールか)もサッカーも同じグラウンドだ。 チラッと野球場(ソフトボール専用のマウンドなどない)を見るとはマウンドに立っていた。

(ピッチャーやんのかよ)

いつも自分が立って、投げている場所に自分の彼女が立っている。 これほど不思議で違和感を感じるものはなかった。 そのせいかサッカーに集中することなんかできない。 もともと集中する気はなかったが。


マウンドで投球練習をしている姿を見ていると段々とストライクゾーンにボールを投げられるようになってきているみたいだ。 ボールの速度は速くはないが遅くもなさそう。運動神経が良いだけのことはある。 先生がキャッチャーの後ろにつく。ゲームスタート。


スポーツとなると手加減というものを知らないのか、と周りが思う程は集中し、負けず嫌いになる。 普段の生活では、そこまで勝ちに拘ることはない。 この授業とて例外ではない。 構えて放るボールには、そこそこのスピードが備わってきた。 やる気のない女子は空振り三振ばかり。




「いつも巧が立ってる場所に立つの変な気がした」
「俺もした」
「ピッチャー初めてした」
「ピッチャーやりたかったのかよ?」
「うん。立候補してみた。他にやりたい人いなかったからピッチャーやれたの」
「どうだった?初めてのマウンド」
「ちょっと恐かった」
「なにが?」
「ピッチャー返し」
「ははっ」



次の時間はキャッチャーやろうかなー。と、笑う。 でも、サッカーやりたいなー。と、ぼやいてもいる。 体育でサッカーやったら、つまんないって文句言うだけだろう、とは言わずに、の隣を歩く。

俺の彼女はなんでも器用にやってしまう。むかつく・・・。






070727 家長碧華