昨日が試合だったから今日は一日中オフ。
のサッカーの練習もないらしい。
今日はのんびり過ごすと決めたんだけど、暇なのは性に合わないに強引に誘われ庭でサッカーの練習をやっている。
「まずパス練。ツータッチまでオーケーな」と生意気にオレに指示を出してくる。
オーケーと返事をするとからパスがくる。ワンタッチで返す。
この庭は全面芝生。この家を建てるときにオレが芝生にすると決めた。
こうやって息子とサッカーができるように。
は今、普通のくつではなくトレシュー(トレーニングシューズ)を履いている。
ここで練習をするときはいつもそうだ。
トレシューか芝用のスパイクを履く。
「芝生でサッカーやるなら当たり前じゃん」と言われたのを覚えている。
「二人ともチームの練習ないからって家で練習?」
カゴいっぱいに入った洗濯物を抱えても庭へきた。
日当たりのいいところに置かれている物干し竿へカゴを置いてやる。
見たまんまの重さ、けっこう重い。
「ありがとう」のの言葉と「次はヘッドの練習!」のの言葉が重なる。
ボールが足元に転がってきたから、足でボールをすくい上げる。
いくぞ。ボールを軽く投げる。がヘッドで返してくる。
返ってくる位置が左右上下、大幅にぶれる。
「お前、ヘッド下手?」
「なんか巧くいかない。コーチによく注意される」
「のヘッドでのゴール滅多に観ないものね」
「FWしっかりしろよ・・・。足ばっかりなわけ?」
「その分ドリブルと両足使えるっていう武器があるからいいじゃん」
「よくない。ボール投げてよ。手本見せてやるから」
見本を見せたり、の変なところを注意してやったり、とにかく身体に叩き込んでやった。
前のFWが頭使えませんって・・・後ろのやつら大変だったな。
洗濯物を全部干し終えたらしいは「お昼ご飯なにがいいかなー」と何故か上機嫌でキッチンへ戻っていった。
「ラスト!」ボールを高く投げると俺の胸元にボールが返ってくる。
よくなった、よくなった。
頭を撫でてやると、頬に冷たい雨があたった。天気は悪くない。
通り雨か。小雨だった粒が段々と大きくなる。
洗濯物を取り込まないと濡れるな。
「!洗濯物いれるから手伝え」
「わかった!」
オレに似て、小柄なに洗濯物を持たせると下を引きずらないようにする必死な姿を見て思わず笑ってしまった。
振り返って笑うな、と睨みつけて家の中へ消えていった。
親をその歳で睨むなよ。
の気持ちは痛いくらいわかるから。
「母さーん!雨降ってきた!」を呼んでいる間に洗濯物を全部取り込んだ。
庭と家をつなぐ窓に腰掛ける。
「うそ!雨!?洗濯物ー!!」バタバタとが走ってくる。ったく、騒がしいなうちは。
「オレが全部取り込んだから」
「あ、ホント?ありがとうー」
「通り雨だからすぐ止むと思う。止んだら干しとくよ」
「翼がいたらホントに助かる」
「母さんオレも手伝ったんだけど!」
「はお父さんの言う事はちゃんと聞くものねー?」
「そうなの?お前、母さんの言う事もちゃんと聞きなよ」
「あ!雨止んだ!」
「ったく、お前は・・・」
縁側は今日もひだまり
(!シューズ庭に置きっぱなし!)(うわあ!中濡れてるー!!)(オレいないときって二人で騒いでんのかな・・・)
070811 家長碧華(4周年記念/みれなさんのみフリー夢)