「なー結人、この間、スイスと試合やっただろ?」
「やった、やった。すげえ試合だったから多分忘れないと思う。後半だけで4点だぜ?オレらすげえよ」
「風祭の決勝点は凄かったな。山口さんのシュートがバーに当たって跳ね返ってきたのを執念で打ってた」
「オレもピッチに立ってたかったぜ・・・!ボランチ減らすのはまあ文句はないけど、どうして6のオレ・・・!」
「仕方ないだろ、結人。でさ、そのスイス戦で面白いことあったんだよ」
「どんなだよ?」
「オレ見たときに藤代倒されてて。多分相手に倒されたんだと思うんだけどファウルなくてプレー続いてたんだよ」
「それオレが交代した後だろ?」
「多分。で、スイスのやつに藤代なんか言われてんだよ。藤代まで座り込んでたから立ってるスイスのやつに見下されてるかんじで」
「あれ藤代なんか言われてたのか」
「ドイツ語で、下手な演技してんじゃねえよって。すげー切れてた。なんでかは知らないけど。あいつわかってなかったから笑ってたけど」
「藤代にドイツ語が通じるわけないだろ。一馬はやっぱドイツ語わかるんだなー。流石ブンデスリーガにいるだけある」
「風祭の方が、もっと言えば天城はペラいけどな」
「あそこはいんだよ。そういう環境だから」
「でも、誰でも外国に放り込まれたらなんとなくは覚えるぜ?」

「藤代、海外行けばいいのにな。もったいねーよ。アイツなら通用すると思うのに」
「それはオレも思う」
「外国語がわかんないし、怖いから海外には行かないってオファー断ってんだろ?オレなんてオファーすらこねーのに!藤代ムカツクッ!!」
「え、そんな理由なのか!?オレはさんが海外いやだから、単身で海外なんて無理だって言ってたってのを聞いたことがある」
「それもありえそうだな・・・さんだし」
「藤代離れそうにないからな、さんから。行くわけねーよ、海外のチームになんか」
「海外行けよな!!行けー!!Jリーグでもう暴れんな!!最近J2でハットトリック決めて調子こいてやがる」
「それはただ結人の妬みじゃん。チームで試合に出てないからって。結人ンとこは周りに良い選手いすぎなんだ」
「そんなの言い訳になるか!でも今はヤットさんからいろんなもんを盗んでる!」
「近くに日本代表の選手がいるのはすげーよなー」
「まあオレらも日本代表だけどっ!」
「結人、うざ」





ファントム





「アレ、若菜と真田じゃん!なに話してんのー?」
「あ!藤代!!お前は海外に行け!」
「若菜なに言ってんの?まずはJ1昇格決めるのが目標だし。サポーターとも約束してるもんね」
「・・・オファーをオレにまわしてくれー!」
「ねー真田、若菜どしたの?」
「オレにもわかんね・・・」





071029 家長碧華
 (ヤットさん=G大阪・日本代表のボランチです。めんこいです)
  タイトル提供:MISCHIEVOUS